クラミジア感染症の原因とは

顔をしかめる女性

クラミジアは、直径約300nmの球形のグラム陰性偏性細胞内寄生性真性細菌の1つとされるクラミジア・トラコマチスに感染する事が原因とされ、性器クラミジアや鼠径リンパ肉芽腫、トラコーマ、新生児肺炎などの疾患を発症します。
性器クラミジアは、性病の中で最も患者数が多く100万人を超えているとされ、特に20歳代の女性の患者が多く女性全体の6割を占めています。

性器クラミジアは、感染者との性行為による粘膜接触や感染者の精液及び膣分泌液が体内に入る事でも感染しますが、現在ではセックスの多様化により咽頭や直腸もクラミジア・トラコマチスに感染しており、キスや肛淫でも感染する事があります。

性器クラミジアは、男性の約5割、女性の約8割が無症候性の患者が多く、発症に気付かず性行為を重ねてしまいます。
クラミジア・トラコマチスは、グラム陰性偏性細胞内寄生性真性細菌なので宿主の細胞でしか生存が出来ない程弱い細菌ですが、避妊具を使用しない性行為の場合には30%~50%と言う高い確率で感染してしまいます。

性器クラミジアは、クラミジア・トラコマチスが尿道口から体内に入る男性に比べて膣道や外部性器からクラミジア・トラコマチスが体内に入る女性の方が感染しやすいと言われ、女性の場合子宮頸管や子宮頸部で1週間~3週間の潜伏期間を経て発症しますが、ほとんど無症候性の為子宮頸管炎の発症に気付かず卵管炎などの子宮付属器炎や骨盤内の臓器が癒着し炎症を引き起こす骨盤内腹膜炎を発症し、不妊症や流産の原因となる事があります。

男性は、尿道内で菌が増殖し尿道炎を発症しますが、排尿痛や強い痒みを伴う事から女性よりも早く発症に気付く事が多く軽症で済むケースがほとんどです。
性器クラミジアは、男性も女性と同様に無症候性の患者も多く、発症に気付かずクラミジア・トラコマチスが精管を経て精巣上体に辿り着き睾丸や鼠径部のリンパ節が腫れる精巣上体炎を併発する事があり、男性不妊症の原因となる無精子症や乏精子症を誘引する事があります。

性器クラミジアは、1回の服用で数日~1週間程度長期にわたり効果が安定的に持続するニューマクロライド系のジスロマックを処方する医療機関が多く、実際に1回の服用で完治することが出来ます。
ジスロマックは、安全性の高い化学療法剤なので妊婦に対しても処方されるケースが数多くありますが、授乳期間中の服用は避けた方が良いとされています。

親がクラミジアだと赤ちゃんにも感染する恐れがある

性器クラミジアは、女性感染者の約8割が無症候性の病態の為母体の感染に気付かず出産を迎えると出産時に胎児が産道を通過する際に感染する産道感染のリスクが高くなり、産道感染により新生児結膜炎や新生児肺炎を発症する確率が高くなります。

新生児結膜炎は、生後5日目~2週間前後で発症する事が多く、白い偽膜や大量の膿を含む目ヤニなどで目が塞がった様になり、新生児肺炎を併発するケースが多くあります。
新生児肺炎は、生後2週間~3カ月前後で発症し喘鳴や多呼吸などを引き起こし、再発を繰り返す事があります。

性器クラミジアは、妊婦健診において母体の感染に気づくケースが多く妊婦の3%~5%が感染しているとされ、28週目までにクラミジアが完治していないと絨毛膜羊膜炎を発症し早産や流産の原因となり、28週未満の早産の70%~80%は絨毛膜羊膜炎が原因とされています。

絨毛膜羊膜炎は、脱落膜と絨毛膜、羊膜の3層のうち絨毛膜と羊膜に炎症が引き起こされ、絨毛膜と羊膜が徐々に薄くなり最終的に早期破水を引き起こすと共に子宮を収縮させるプロスタグランジンの分泌が促進され、母体に大きな負担がかかり切迫早産や流産、常位胎盤早期剥離の原因となります。